Hideshi Ohno (ed.), The Absolute Infinitive: From Historical and Stylistic Perspectives
Studies in the History of the English Language, 11
Hideshi Ohno (ed.). 2023. The Absolute Infinitive: From Historical and Stylistic Perspectives. Tokyo: Kaitakusha.
Studies in the History of the English Languageシリーズの第11巻として、このたび刊行されました論文集The Absolute Infinitive: From Historical and Stylistic Perspectivesは、主に中期英語後期と近代英語期における独立不定詞句の形式と機能を扱いました。テクストに表された形式はその使用者の意思や感情を反映するという考えのもとに、独立不定詞句の歴史的発達(織物でいう「縦糸」)を概観した後に、各時代の文学作品(Chaucer, Shakespeare, Evelyn, Pepys, Bunyan, Dickens)において、発話動詞say, speak, tellを中心とした様々な動詞を用いた表現の文体的特徴(「横糸」)の考察を試みました。そして、発話動詞による表現は自由に代替できず、作家、ジャンル、文体などによる独自性があることを提示しました。こうして出来た布はまだ目が粗く、さらに糸を補っていただくことで、よりよい織物になれば幸いです。 執筆者:大野英志、福元広二、佐々木朱美、西尾美由紀(論考順)